リサイクルトナーの品質は純正トナーと同じなのか

2021-04-05

リサイクルトナーは安くて魅力があるから使ってみたいけれど、品質が大丈夫なのかが不安だという人も多いでしょう。純正トナーと品質が同じならリサイクルトナーにしたいという人のために、純正トナーと違いがあるのかどうかをわかりやすく解説します。

品質についてはよく議論になるので、詳細まで理解してリサイクルトナーを使うかどうかを決めましょう。

純正トナーとは品質が違う

結論から言えば、リサイクルトナーの品質は純正トナーと全く同じになることはありません。純正トナーはプリンターや複合機などのメーカーが製造したトナーで、全て新品なのが特徴です。リサイクルトナーは純正トナーを回収して洗浄し、必要に応じて部品の交換や整備、修理などを実施した後、トナーを充填して再生したものです。

純正トナーのカートリッジを使用しているので、見た目はほとんど違いがありません。きちんと整備をしているのでリサイクル回数が少ないうちは純正トナーと動作上もほとんど差が生じないのが一般的です。しかし、トナーは充填し直しているので注意が必要です。

メーカー純正のものを利用しているわけではないので、品質が同じになることがないのです。トナーの成分として何を使用しているかはメーカーにとってはトップクラスの機密情報なのは明らかでしょう。そのため、リサイクル業者に開示するようなことはまずありません。

メーカーとしては純正トナーを買ってもらわないと利益があまり上がらないほど、本体価格を下げている傾向があります。そのため、基本的にはリサイクル業者が純正トナーを参考にして適切なトナーを探して充填しているのです。

結果として品質は同じにはならず、どの程度の品質になるかもリサイクル業者によって違いが生じています。ある業者にリサイクルしてもらったら品質が近かったけれど、別の業者に依頼したら品質が悪くなったということもあり得るので注意が必要です。

汎用トナーとも品質が違う

リサイクルトナーは汎用トナーと品質は同じなのかどうかが気になる人もいるでしょう。汎用トナーはいわゆるノーブランドで製造されている廉価品で、メーカー以外の企業が手掛けているのが特徴です。OEMで生産しているのが一般的で、量販されている汎用トナーは品質も安定していてコストパフォーマンスが高いものが多いことも知られています。

ただ、リサイクルトナーは汎用トナーとは全く別物で、品質もまるで異なっているのが一般的です。カートリッジもトナーも一致することがないので、印刷の様子も色合いもにじみ具合も似つかないほどに違うことが多いのが実情です。

汎用トナーは純正トナーと同じように動作するように設計されて製造されているだけで、安く生産できるようにするためにカートリッジも再生するのが難しい素材を使っている傾向があります。そのため、汎用トナーのカートリッジを使用したリサイクルトナーはあまり主流ではありません。

メーカーによるリサイクルトナーは品質が近い

純正トナーに近い品質のリサイクルトナーを使いたい場合にはメーカーがリサイクルをしているかどうかを確認してみましょう。多くのメーカーでは全ての種類のトナーではないにしてもリサイクルに対応するようになってきています。

メーカー純正リサイクルトナーとも呼ばれていて、メーカーが純正トナーのカートリッジの修理や整備をした上で、メーカーオリジナルのトナーを充填して販売しているのが特徴です。純正リサイクルトナーの場合にはトナーがメーカー純正なので色合いや印刷の具合は同じような様子になります。

カートリッジが多かれ少なかれ劣化しているので全く同じ品質になるとは限りませんが、純正トナーに最も近い品質の印刷ができるでしょう。

→リサイクルトナーって大丈夫?おすすめの販売店5選

品質は同じでなくても問題ないことが多い

リサイクルトナーは純正トナーと同じ品質になるわけではありませんが、純正トナーに比べて品質が劣っているとは限りません。純正トナーに勝るとも劣らないような品質で印刷できるリサイクルトナーもたくさんあります。

色合いやにじみなどに違いが生じることはもちろんありますが、大差はないという判断になることも稀ではありません。また、発色の具合が違うことでむしろ美しく印刷されることもあります。白黒の文書を印刷するだけの場合でも黒の濃さが若干違うなど、よく見てみると違いがわかることもあるでしょう。

しかし、実用上は何も問題がないからリサイクルトナーにするというケースも多々あります。品質が違うことによって何か問題が起こり得るのかどうかをよく考えてみるのが重要でしょう。例えば、自社製品をカラー印刷するときに色合いが少し違ってしまって印象が変わるのは致命的です。

デザインを販売している企業で色の微妙な違いが生じるのも問題になる可能性が高いでしょう。このように何が起こったとしたらリサイクルトナーよりも純正トナーにした方が良いかを考えてリストアップしておき、試しにリサイクルトナーを調達してテストしてみるのが無難です。

リサイクル業者によって品質に違いがあることも考慮し、懸念点があるときには複数のリサイクルトナーでテスト印刷をしてみましょう。

品質が急激に低下するリスクに注意

リサイクルトナーは品質が安定しないことがあるので注意が必要です。純正トナーや汎用トナーのように新品ではなく、使用済みのカートリッジを整備して使っているのが原因です。修理や整備などをしてから製品として出荷しているのは確かですが、丁寧に整備をしても劣化は進んでいくのでだんだんと品質は低下してしまいます。

1回や2回のリサイクルであれば劣化が気になることはあまりありませんが、10回もリサイクルをすると使用中に急激に品質が低下するリスクもあるので注意しなければならないでしょう。ただ品質が低下するだけでなく、カートリッジが破損して故障することもあり得ます。

あまりにもリサイクル回数が多いとリスクが高いと考えて、可能な限りリサイクル回数が少ないものを手に入れるのが大切です。

→印刷に用いるリサイクルトナーの特徴や使用期限について

リサイクルトナーの品質は同じではないだけで低いとは限らない

リサイクルトナーは純正トナーのカートリッジを整備してトナーを充填したもので、トナーの種類が違うので品質は同じにはなりません。カートリッジの劣化によって急激に品質が落ちることがある点には注意が必要です。しかし、品質が低いとは限らないので、トナーのコストを抑えたい場合にはリサイクルトナーを使ってみましょう。